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2014/11/12

企業情報

フレゼニウス―ロシア合弁を断念―

この記事の要約

総合医療大手の独フレゼニウス(バート・ホームブルク)は6日、点滴治療薬・医療用栄養剤子会社のフレゼニウス・カービと、ロシアの投資会社システマJSFC、ゼニトコ・ファイナンス・マネジメントの3社がロシアに合弁会社を設立する […]

総合医療大手の独フレゼニウス(バート・ホームブルク)は6日、点滴治療薬・医療用栄養剤子会社のフレゼニウス・カービと、ロシアの投資会社システマJSFC、ゼニトコ・ファイナンス・マネジメントの3社がロシアに合弁会社を設立する契約を3社の合意で破棄したと発表した。ウクライナ問題を受けて「政治および規制上の枠組み条件が変化」したためと説明している。

カービは4月、システマJSFCとゼニトコの合弁製薬会社であるCJSCビノファームと共同で合弁会社を設立することを取り決めた。ロシア事業の強化が狙いで、独立国家共同体(CIS)での事業を同合弁に統合。カービは51%を出資し、経営権を掌握する計画だった。

4月時点では対ロシア制裁が本格化していなかった。また、CJSCビノファームが製薬会社であり、軍需品は生産していないことから、フレゼニウスは当局の承認を速やかに得られるとみていた。

だが、現実には認可手続きが滞っているようで、合併手続きが年内に終了するとした当初の見通しは遠のいたという。CJSCビノファームとは今回と別な形で提携を模索する考えだ。