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2014/12/3

経済産業情報

ブラックベリーが独IT企業買収へ 政府が承認、スパイ防止契約を締結か

この記事の要約

独連邦経済省は11月28日、カナダのスマートフォン大手ブラックベリーによる独ITセキュリティ企業セキュスマートの買収計画を承認したことを明らかにした。セキュスマートはメルケル首相の携帯電話をはじめセキュリティ性能の高い通 […]

独連邦経済省は11月28日、カナダのスマートフォン大手ブラックベリーによる独ITセキュリティ企業セキュスマートの買収計画を承認したことを明らかにした。セキュスマートはメルケル首相の携帯電話をはじめセキュリティ性能の高い通信機器を官庁に納入しており、政府はブラックベリーの買収計画を安全保障上の観点から審査していた。承認の条件などは明らかにしていない。

『南ドイツ新聞』などの報道によると、政府は承認に当たってブラックベリーとスパイ禁止契約を結んだもようだ。具体的には◇ブラックベリーOSのソースコードを連邦情報技術安保庁(BSI)に開示し、チェックを受ける◇セキュリティ上の弱点が見つかった場合はBSIに速やかに通報する◇機密情報を国外の情報機関に漏らさない――ことをブラックベリーに義務づけたという。

米情報当局がメルケル首相の携帯電話を傍受していたうえ、カダダは米国の情報当局と情報を緊密に交換していることから、独政府は特に米国を警戒している。

セキュスマートは政府の要人が用いる携帯電話機向けの暗号化技術をBSIと共同開発した。独官庁では現在、同社の通信機器およそ2,500台が利用されている。