マツダのドイツ販売が好調だ。今年1~11月の乗用車新車登録台数は前年同期比19%増の4万9,757台に拡大。通年では昨年を15%以上上回る5万2,000台に拡大すると予想している。独自色を強く打ち出していることが成長の原動力となっているもようで、独販売子会社マツダモータース(ドイツランド)のヨーゼフ・シュミット社長は『ハンデルスブラット』紙に「我々は比較的規模の小さいメーカーであり、独自路線を進めることができる」と述べた。
マツダの独新車登録台数は2012年に4万台強となり、10年来の低水準へと落ち込んだ。だが、翌13年には11%増の4万4,981台へと大幅に拡大。来年は6万500台、再来年は7万台を計画している。
販売の大きな押し上げ要因となっているのは「生物が目標に向かって動き出す一瞬の強さや美しさ」を表現した新デザイン「魂動(KODO)」だ。同デザインを採用したモデルは地域によって消費者の嗜好が異なるにもかかわらず世界各地で支持を受けている。
エンジン分野でもターボチャージャーを搭載して小型化するトレンドには追従していない。シュミット社長は、エンジンそのものの改良で燃費を向上させる余地はまだまだ残っていると明言した。
ドイツで販売するマツダ車のカラーは現在、その3分の1をルビーレッドが占める。キャンペーンで同色のモデルを利用していることが背景にあるものの、黒、白、グレー、シルバーの人気が高い同国では珍しく、ここでもマツダらしさが出ている。
シュミット社長によると、「マツダ」ブランドは近年、プレミアム化の方向に向かっており、販売車両に占めるフル装備車の割合は50%を超える。