機械大手の独フォイト(ハイデンハイム・アン・デア・ブレンツ)は3日、工業用ロボット大手クーカの議決権付き株式25.1%を取得したと発表した。長期の戦略投資で、出資比率の拡大は計画していないとしている。
クーカ株を大株主である機械メーカーのグレンツバッハから譲り受けたほか、市場でも取得した。株価は3日時点で約62ユーロに上っており、これをもとに計算すると取得に要した費用は5億5,000万ユーロを超える。
フォイトは声明で、クーカはインダストリー4.0で重要な役割を果たす将来性の高い企業だと指摘。同社への出資はメカニック製品が中心のフォイトの競争力を高めるとの見方を示した。クーカの経営方針を支持しており、事業戦略の変更は求めないとしている。監査役会には役員を1人派遣したい考えだ。
グレンツバッハは2008年末、安定株主になるとしてクーカに資本参加した。クーカ株を当時、1株当たり約10ユーロで取得しており、巨額の売却益を確保したとみられる。