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2014/12/17

企業情報

エアバス―A380の生産中止も―

この記事の要約

欧州航空機大手のエアバスが超大型機「A380」の生産を中止する可能性が出てきた。今年は新規受注が1件もなく、現状では2017年で生産が終了になる見通しのためだ。ハラルド・ヴィルヘルム財務担当取締役が10日、ロンドンの投資 […]

欧州航空機大手のエアバスが超大型機「A380」の生産を中止する可能性が出てきた。今年は新規受注が1件もなく、現状では2017年で生産が終了になる見通しのためだ。ハラルド・ヴィルヘルム財務担当取締役が10日、ロンドンの投資家説明会で明らかにした。

A380は2007年に引き渡しが始まったエアバス自慢の航空機で、定員はそれまで最大だった競合ボーイングの「747」を15~65%上回る。これまでに318機を受注し、148機を引き渡した。

機材が高額で、燃料消費量も多いことが大きな欠点で、これがネックとなり今年は新規受注がまったく入っていない。この状態が続くと18年に生産中止に追い込まれることになる。

A380の発注機数が140台と最も多いエミレーツ航空はエアバスにエンジンを改良して燃費を向上させるよう要求している。この要求し従えば、他の航空会社から新たな受注を獲得できる可能性はあるものの、空振りに終わるリスクも大きく、同社は生産停止かエンジン改良かの難しい決定を下さなければならない状況だ。

エミレーツのティム・クラーク社長はロイター通信に、生産中止は受け入れられないと述べるとともに、機材を改良すればA380への投資額を倍増する考えを表明。エンジンの改良を改めて要求した。