中国資本によるドイツ企業の買収が活発化しているもようだ。独コンサルティング企業ギンコウ・ツリー・アドバイザーズのデータをもとに12月27日付『ヴェルト』紙が報じたところによると、中国企業が2014年に独で実施した主な買収30件の総額は約17億4,000万ユーロに達した。中国の13年の対独直接投資(FDI)は15億ユーロにとどまっており、買収規模が大きく拡大したことがうかがわれる。
主な買収30件のうち、16件は機械、産業設備、自動車部品メーカーを対象とするものだった。エレクトロニクス・太陽光発電分野も8件と多い。
ギンコウ・ツリー・アドバイザーズによると、中国企業はこれまでドイツで主に、経営危機に陥った企業を買収してきた。最近は高い技術を持ち財務も健全な企業を買収する動きが強まっている。
中国企業が14年にドイツで実施した最大のM&A(合併・買収)は、中国航空工業集団公司(AVIC)による自動車部品メーカー、ハイライト・インターナショナルの買収で、総額5億2,200万ユーロに達した。2位もAVICがセメント設備メーカーのKHDフンボルトを対象に実施したもので、規模は2億8,500万ユーロだった。