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2015/1/28

企業情報

アッヴィ―C型肝炎治療薬を独市場に投入―

この記事の要約

研究開発型バイオ医薬品企業の米アッヴィは20日、新しいC型肝炎の治療法を同日付でドイツ市場に投入すると発表した。同治療法は欧州連合(EU)の欧州委員会から15日付で販売承認を受けたばかり。3つの経口薬(直接作用型抗ウイル […]

研究開発型バイオ医薬品企業の米アッヴィは20日、新しいC型肝炎の治療法を同日付でドイツ市場に投入すると発表した。同治療法は欧州連合(EU)の欧州委員会から15日付で販売承認を受けたばかり。3つの経口薬(直接作用型抗ウイルス薬)を組み合わせて投与するのが特徴で、これまで一般的に使用されてきたインターフェロンは用いない。

ジェノタイプ1型(GT1)という種類のC型肝炎患者に投与する。ドイツを含む世界25カ国のGT1型患者2,300人強を対象に実施した第3相臨床試験(3つある治験の最終段階)では治癒率が97%に達した。肝硬変に発展した患者やエイズウイルス(HIV)とC型肝炎ウイルス(HCV)の重複感染者、肝移植を受けた患者などこれまで治療が難しかった人でも効果があるという。

治療には12週間を要する。販売価格は2月に公表する予定だが、高くなるのは確実。『フランクフルター・アルゲマイネ』紙によると、競合ギリアド・サイエンシズの経口C型肝炎治療薬「ソバルディ」(1日1回1錠を投与)は1錠700ユーロで、治療に要する費用は10万ユーロを超える。

アッヴィはフランクフルト西部のヴィースバーデンに独法人を置く。また西南ドイツのルートヴィヒスハーフェンに研究・生産拠点を持つ。