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2015/2/4

企業情報

フォイト―人員削減へ、産業サービス部門は放出―

この記事の要約

独機械大手フォイト(ハイデンハイム・アン・デア・ブレンツ)のフベルト・リーンハルト社長は2日、経営不振の製紙機械部門を中心に人員削減を行うことを明らかにした。従業員の半数が所属する産業サービス部門も売却する考えで、同社の […]

独機械大手フォイト(ハイデンハイム・アン・デア・ブレンツ)のフベルト・リーンハルト社長は2日、経営不振の製紙機械部門を中心に人員削減を行うことを明らかにした。従業員の半数が所属する産業サービス部門も売却する考えで、同社の事業規模は大幅に縮小することになる。

フォイトは製紙機械、水力・揚水発電用タービン部門の業績悪化を受けて2013年12月に収益力強化に向けた計画「フォイト150+」を発表した。このうち水力・揚水発電用タービンについては受注が拡大に転じるなど業績改善の兆しが出ているものの、製紙機械では厳しい市場環境が続いている。デジタルメディアの大幅な拡大を受けてプリントメディアの需要が減少し、製紙機械の需要も落ち込んでいるためだ。

製紙機械部門ではこれまでに従業員1,200人を整理した。今回これに1,000人を追加する。独クレーフェルト、ノイヴィードの2拠点を全面閉鎖。ラーフェンスブルクの事業拠点でも生産事業を停止する。ハイデンハイムでは一部生産を取り止める意向だ。同社は管理部門でも人員削減を行う予定で、削減規模は計1,600人に上る。

これらの措置を16年9月末までに実施する。経営上の理由による整理解雇は避けられないとしている。

産業サービス部門の売上高は11億7,000万ユーロで、同社全体の20%強を占める。従業員数は1万8,000人。他の事業と事業モデルが異なるため、売却に踏み切る。