合併を計画するセメント大手のラファージュとホルシムが一部事業をアイルランドの同業CRHに売却する。欧州連合(EU)の欧州委員会は欧州で重複する両社の事業の放出を合併の承認条件として提示しており、これに沿った措置。両社は合併に向けて大きく前進したことになる。
セメント販売で世界1位のホルシムと2位ラファージュは昨年4月、合併合意した。新会社は売上高が約380億ユーロに上る巨大セメント会社となり、合併には競争上の大きな問題がある。このため両社は10月、EUの承認を取り付けるために一部事業の売却を申し出、欧州委は12月、条件付き認可方針を明らかにした。
CRHにはドイツ、フランス、英国、ハンガリー、ルーマニア、セルビアのセメント工場、施設のほか、米国、カナダ、ブラジル、フィリピンの事業を65億ユーロで譲渡する。売却する事業の売上高は合わせて51億ユーロに上る。