化学大手の独ランクセス(ケルン)は9日、主力の合成ゴム事業分野で合弁化に向けた交渉を進めている事実を明らかにした。合成ゴム市場では業界の過剰生産能力と価格下落を受けて競争が激化。同社は業績改善に向けて組織再編に取り組んでおり、同合弁交渉は様々な戦略的なオプションの1つだとしている。交渉先は明らかにしていない。ブルームバーグ通信によると、同事業の資本の50%未満をサウジアラビアの国営石油会社サウジアラムコに売却する可能性もあるようだ。
ランクセスは昨年8月、組織再編計画「レッツ・ランクセス・アゲイン」を発表した。事業分野の数を従来の14から10に統廃合するほか、管理部門をスリム化。また、生産・販売体制の最適化、事業ポートフォリオの見直しも進め、ゴム原料の調達では提携も検討することを明らかにした。