フォルクスワーゲン(VW)グループは11日、高級車子会社アウディがカナダ企業バラード・パワー・システムズから燃料電池の特許群を譲り受けたと発表した。同特許群をVWグループ全体で活用する考え。2013年に締結したバラード・パワーとの提携契約を19年まで延長することも取り決めており、同グループは燃料電池車で先行するトヨタ自動車やダイムラーを追撃する考えだ。
『ハンデルスブラット』紙によると、バラード・パワーから取得した特許はおよそ700件。取引金額は明らかにしていない。
ドイツではこれまで、燃料電池車市場が立ち上がる時期を2020年以降とする見方が有力だった。燃料である水素の供給ステーションが国内に20カ所しかないためだ。だがトヨタは昨年12月、量産型燃料電池車「ミライ」を他社に先がけて市場投入。ダイムラーも17年発売を目指している。
VWグループは電気自動車の投入を優先するこれまでの姿勢を変えていないものの、市場の状況に応じて燃料電池車も投入できる体制を早急に整える考えのようだ。