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2015/2/25

総合 - ドイツ経済ニュース

生保剰余金でルール改正へ、被保険者への配当拡大

この記事の要約

ドイツ連邦財務省は17日、生命保険の乗用金に関する政令案(保険料返還準備金政令案)を発表した。州代表との合意に基づく内容で、被保険者への配当が拡大する見通しだ。同案は連邦政府と州政府の代表で構成される連邦参議院(上院)の […]

ドイツ連邦財務省は17日、生命保険の乗用金に関する政令案(保険料返還準備金政令案)を発表した。州代表との合意に基づく内容で、被保険者への配当が拡大する見通しだ。同案は連邦政府と州政府の代表で構成される連邦参議院(上院)の承認を経て施行される。

生命保険会社は運用利回りが保証利回り(Garantiezins)を上回った場合、剰余金をある種のボーナスとして毎年、顧客配当に回す。ただ、剰余金の一部は保険料の返還準備金(RfB)として社内に留保。保険会社の自己資本とすることが認められている。

これまでのルールではRfBの規模を自己資本の最大80%とすることが認められていた。今回の政令案ではこれが最大60%に引き下げられたため、保険会社は同政令案が施行されると、RfBの規模を縮小。その分を顧客に支払わなければならなくなる。

連邦政府は低金利の長期化で生保会社の資金運用が悪化し、顧客に約束した保証利回りの維持が難しくなっていることを踏まえ、保険会社の自己資本低下につながる今回の措置に消極的だったが、剰余金は本来、被保険者のものだとして州サイドが反発。政令案の作成に時間がかかっていた。

経済紙『ハンデルスブラット』によると、ドイツの生保会社が保有するRfBの規模が推定で計150億~300億ユーロに達する。