欧州自動車最大手のフォルクスワーゲン(VW、ヴォルフスブルク)が13日発表した2015年1月のグループ販売台数は前年同月比0.7%増の81万7,600台と小幅な伸びにとどまった。商用車のほか、主力のVWブランド乗用車が不振で全体が押し下げられた格好。クリスチャン・クリングラー取締役(販売担当)は先行き不透明感が世界的に続いていると述べ、今年も試練の年になるとの見方を示した。
VWブランド乗用車の販売台数は50万7,100台で、前年同月を2.8%下回った。減少は4カ月連続。
その他の主要な乗用車ブランドは好調で、高級車のアウディとポルシェはそれぞれ10.3%増の13万7,700台、31.2%増の1万6,000台に拡大した。大衆車のシュコダ(7.5%増の8万7,000台)とセアト(6.4%増の2万7,700台)も前年同月を上回った。
商用車は3ブランドすべてで減少した。各ブランドの実績はVW商用車が3.3%減の3万600台、スカニアが9.7%減の5,000台、MANが29.0%減の7,800台だった。
販売台数を地域別でみると、足元の欧州は2.9%増の28万7,400台と伸びを確保した。ドイツ本国が6.1%増の8万9,300台と全体をけん引。ドイツを除く西欧も1.9%増の15万2,200台に拡大した。中東欧は主力のロシアが16.9%減の1万3,800台に縮小した影響で、横ばいの4万5,900台にとどまった。
アジア・太平洋は1.7%増の38万1,300台で、中国(香港を含む)は2.0%増の35万1,400台だった。
北米は9.0%増の6万3,200台で、米国は6.1%増の3万9,200台。南米は20.7%減の5万3,900台と大きく落ち込んだ。