欧州連合(EU)の欧州委員会は13日、独電機大手シーメンスによる米タービン、コンプレッサー大手ドレッサー・ランド買収計画について、競争法の観点から本格的な調査を開始したと発表した。両社の統合によってターボコンプレッサーおよびドライバーの市場で競争が制限される可能性があると判断したためで、6月30日までに最終的な結論を出す。
シーメンスとドレッサー・ランドはともに、ターボコンプレッサーとこれを駆動する航空転用ガスタービン(ADGT)、産業用ガスタービン(IGT)、蒸気タービン、電気モーターなどのドライバーを手がけている。
欧州委の初期調査によると、欧州市場におけるターボコンプレッサー、ADGTおよびADGT駆動のターボコンプレッサートレインの主要サプライヤーは、シーメンス/ロールスロイス、ドレッサー・ランド、ゼネラルエレクトリックだが、シーメンスとドレッサー・ランドが統合すると市場の主要プレーヤーが減り、製品の多様性が失われ、価格の上昇につながる恐れがある。欧州委はまた、出力5メガワット(MW)以下の小型蒸気タービン市場においても、同様の懸念があると指摘している。