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2015/4/1

企業情報

日立―ドイツ鉄道からの受注獲得に意欲―

この記事の要約

日立がドイツ鉄道(DB)からの受注獲得に意欲を示している。欧州で鉄道事業を強化するためには欧州大陸最大のDBを顧客として獲得することが極めて重要なためで、日立レールヨーロッパ社のアンディ・バー最高執行責任者(COO)は独 […]

日立がドイツ鉄道(DB)からの受注獲得に意欲を示している。欧州で鉄道事業を強化するためには欧州大陸最大のDBを顧客として獲得することが極めて重要なためで、日立レールヨーロッパ社のアンディ・バー最高執行責任者(COO)は独『ハンデルスブラット(HB)』紙に、「ドイツと欧州大陸はわが社にとってとても興味深い市場だ」と語った。DBも既存の取引先以外から調達することを模索しており、日立が食い込むチャンスは十分にありそうだ。

DBはこれまで鉄道車両を主にシーメンス、ボンバルディア、アルストム、シュタートラーの4社から調達してきた。ただ、近年はこれら企業から購入した車両に不具合があったり、納期が大幅に遅れるなどの問題が多発。調達先候補の数が少ないとメーカー間の競争が活発化しないこともあり、DBは新たな調達先候補を確保したい考えだ。DBのハイケ・ハナガルト取締役(技術担当)はHB紙に「日立はとても興味深い企業だ」と明言した。同取締役は3月に日本を訪問し、日立の役員と協議をしたもよう。

日立はドイツ北部のハンブルク州でDBが運行する鉄道車両の受注獲得に向けて2012年に入札に参加したが、落札できなかった経緯がある。当時は日本で車両を製造して欧州に船舶輸送しなければならずコストがかさんだため、これがネックとなったもようだ。同社は英北部のニュートン・エイクリフ工場を年末に開設することから、今後は輸送コスト問題をクリアできる。17年に行われるミュンヘン市の都市鉄道入札が、ドイツ市場参入の大きなチャンスになるとみられる。