欧州航空機大手エアバスのファブリス・ブレジエ社長は仏日刊紙『レゼコー』に、同社の超大型機「A380」の需要見通しに誤りがあったことを明らかにした。同機の需要はこのところ低迷しており、同社長は「市場投入の時期が10年早かった」との見方を示した。
A380は2007年に引き渡しが始まったエアバス自慢の航空機で、定員はそれまで最大だった競合ボーイングの「747」を15~65%上回る。これまでに317機を受注した。
機材が高額で、燃料消費量も多いことが大きな欠点で、これがネックとなり昨年は新規受注がまったくなかった。この状態が続くと18年に生産停止に追い込まれる懸念がある。
A380の発注機数が140台と最も多いエミレーツ航空はエアバスに対し、エンジンを改良して燃費を向上させるよう要求している。この要求し従えば、他の航空会社から新たな受注を獲得できる可能性はあるものの、空振りに終わるリスクも大きく、ブルジエ社長は開発投資に見合う需要がなければ投資はできないと慎重な立場を示した。現行モデルでも航空会社は座席数を増やすことで採算を引き上げることができるとしている。これにより乗客の快適性が低下することはないとの見方だ。
業界情報によると、新たな受注が250機あれば、エンジンを改良しても採算が取れるという。