欧州自動車最大手の独フォルクスワーゲン(VW、ヴォルフスブルク)が17日発表した2015年第1四半期(1~3月)のグループ販売台数は249万台で、前年同期を1.8%上回った。西欧販売が好調で全体が押し上げられた格好。米国は以前からの不振が解消されず、VWブランドの乗用車も振るわなかった。
西欧販売台数(ドイツを除く)は102万台で、4.1%増加。ドイツ本国は9.1%増の31万4,800台と大きく伸びた。中・東欧はロシアの不振(36.4%減の4万3,500台)が響き、10.6%減の14万7,500台に落ち込んだ。
北米は20万5,800台で、4.1%増加したものの、主力の米国に限ると1.4%減の13万1,600台に後退した。同国で販売するVWブランドのモデル種類が少ないうえ、モデルチェンジのスピードも遅いため、苦戦が続いている。南米は17.6%減の15万2,800台で、中心市場のブラジルは22.1%減の11万900台だった。
アジアは2.1%増の100万台となり、初めて100万台の大台に乗った。中国(2.0%増の89万8,400台)と全体の9割を占めている。
ブランド別でみると、VW乗用車は1.3%減の148万台に落ち込んだ。同ブランドはシュコダなどグループの低価格帯ブランドとの差別化が難しくなっており、これが響いた格好。シュコダは7.2%増の26万5,100台、セアトも10.0%増の10万2,700台と好調だった。高級ブランドもアウディが6.1%増の43万8,200台に拡大。ポルシェは32.2%増えて5万1,100台に達した。
商用車ではVW商用車が4.8%増の10万8,200台に拡大。大型トラックのMAN(16.4%減の2万2,100台)とスカニア(7.1%減の1万7,500台)は振るわなかった。