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2015/4/29

経済産業情報

「学士は使えない」、企業の評価が低下

この記事の要約

学士(バチェラー)資格の社員に対する企業の評価が下がっている。独商工会議所連合会(DIHK)のアンケート調査で明らかになったもので、バチュラー資格保持者(日本の4大卒に相当)に満足している企業は2011年の63%から今年 […]

学士(バチェラー)資格の社員に対する企業の評価が下がっている。独商工会議所連合会(DIHK)のアンケート調査で明らかになったもので、バチュラー資格保持者(日本の4大卒に相当)に満足している企業は2011年の63%から今年は47%へと大きく低下した。

ドイツでは大学卒業資格が従来、修士と博士に限られていた。このため就職時の年齢が他の国に比べて高く、経済競争のマイナス要因とみられていた。

バチュラーは欧州諸国の大学制度を調整する取り組みの一環として2002年にドイツに導入された。修士などの高い学位を持たなくても高度な実務を十分にこなせることは他の国をみれば明らかであるため、経済界はこれを歓迎していた。

DIHKのエリック・シュヴァイツァー会長は企業のバチュラー評価が下がった理由として、大学の大衆化を指摘。学力的にみて本来大学に行くべきでない人材が大量に入学するようになっているとして、入学制限を設けるべきだとの考えを示した。

修士(マスター)資格を持つ社員に対する企業の評価は上がっており、アンケートでは満足しているとの回答が11年の65%から78%に上昇した。