欧州航空宇宙大手エアバス・グループの軍用輸送機「A400M」が先ごろテスト飛行中に墜落した事故はエンジン制御用ソフトウエアの不具合が原因となったもようだ。同社は19日、関係各国に対し同輸送機の飛行前にエンジンの電子制御ユニット(ECU)をチェックするよう要請した。関係者は各種メディアの問い合わせに、制御ソフトの不具合が原因で4基あるエンジンのうち3基が停止したとの見方を示した。
事故は9日、スペインのセビリアで発生し、搭乗していたエアバスの社員6人のうち4人が死亡した。生存者の証言によると、離陸直後にエンジン3基が停止しており、同社は原因を調査している。
事故発生後、同社とフランス以外の発注国はA400Mのフライトを控えている。
A400Mはエアバスが手がける次世代軍用輸送機で、搭載エンジン「TP-400」は欧州4社(英ロールスロイス 、仏スネクマ、独MTU、西ITP)が共同開発した。TP-400ではこれまでもトラブルが発生し、A400Mの納期の遅れにつながっている。今回の事故により納期がさらに延びるのは確実で、関係各国のストレスは一段と強まりそうだ。