石油大手のシェルは27日、ドイツのガソリンスタンドで販売する燃料の価格に上限を設けるサービスを開始した。各シェル系スタンドの周辺地域で最も安いスタンドとの価格差を最大2セントに抑制。顧客をつなぎ止める考えだ。
ドイツでは2013年、連邦カルテル庁傘下の自動車燃料市場透明化局が全国のガソリンスタンドを網羅する自動車燃料価格の情報提供サービスを開始した。ドライバーは最も安い最寄りのスタンドをスマートフォンのアプリで簡単に探せる。
常に最も安いスタンドを選ぶドライバーは少なくない。ただ、その一方で、最安値のスタンドを探すことを面倒に思うドライバーも多い。
シェルはここに着眼。周辺にある計10のブランド系スタンドのなかで最も安いところとの価格差を最大2セントに押さえるサービスを立ちあがた。シェルのガソリン価格が1リットル=1.50ユーロ、周辺の最安値が同1.40ユーロであれば、8セント値引きして1.42ユーロで販売する。
価格差を最大2セントに設定したのは、2セントであればドライバーが他のスタンドに切り替えないことが市場調査で確認されたためだ。同サービスはシェルの「クラブ・スマート」カード会員が利用できる。