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2015/5/27

経済産業情報

「独の利益は独で納税」、アマゾンが方針転換

この記事の要約

ネット通販大手の米アマゾンが5月1日から、ドイツで稼いだ利益はドイツで納税する方針へと転換した。これまでは税率が低いルクセンブルクに利益を移転し納税額を大幅に抑制してきたが、欧州連合(EU)の欧州委員会がEU法違反容疑で […]

ネット通販大手の米アマゾンが5月1日から、ドイツで稼いだ利益はドイツで納税する方針へと転換した。これまでは税率が低いルクセンブルクに利益を移転し納税額を大幅に抑制してきたが、欧州連合(EU)の欧州委員会がEU法違反容疑で調査を進めていることから、姿勢を改めたもようだ。英国で得た利益についてもルクセンブルクに送金せず、英国で納税する。『南ドイツ新聞』が24日付で報じた。

同社やグーグル、アップルなどの米IT大手は、法人税の優遇措置が受けられるルクセンブルクないしアイルランド、オランダに欧州事業の統括拠点を設置。欧州各国で稼いだ利益をこれら統括会社に一括納税させることで税負担を大幅に軽減している。

これに対し欧州委は、加盟国が多国籍企業に適用している税優遇措置はEUの国家補助規定に違反している可能性があるとして、昨年6月にアップルに対するアイルランド、米スターバックスに対するオランダ、アマゾンと伊フィアットの金融子会社に対するルクセンブルクの措置について調査を開始。12月にはすべてのEU加盟国に対し、「タックスルーリング」と呼ばれる課税措置に関する企業との取り決めについて詳しい情報提供を要請した。

アマゾンは今回の方針転換を欧州委の調査とは無関係だと強調しているものの、「顧客サービスを最適化するために企業構造を常に見直している」ことが理由だとする同社の説明は説得力が弱い。

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