独機械大手ジームペルカンプ(クレーフェルト)は8日、原子力発電向け事業の再編方針を明らかにした。ドイツの原発廃止政策を受けた措置で、需要減が見込まれる放射性廃棄物輸送容器(カスター)事業を縮小。他のタイプの放射性廃棄物用容器の生産と廃炉向け技術サービス事業を強化していく。
同社は原発向け事業を子会社ジームペルカンプ・インジェニエール・ウント・サービスを通して統括。傘下には放射性廃棄物用容器を手がけるジームペルカンプ・ベヘルターテヒニク(SBT)と、廃炉技術サービスのジームペルカンプ・NIS・インジェニエールゲゼルシャフト(NIS)を持つ。
SBTはこれまで、国内原発4社が出資する放射性廃棄物処理会社GNS向けにカスターを年およそ40本、製造してきた。原発廃止政策を受けて今後はカスター需要が減少するものの、廃炉に伴い他の種類の容器需要は拡大が見込まれるため、この分野の容器事業を強化していく。
NISはこれまでに米国の加圧水型原子炉2基の廃炉を行った実績を持つ。そこで得たノウハウを今後はドイツで生かしていく考えだ。