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2015/6/24

経済産業情報

盗難による小売店の損失、年39億ユーロに

この記事の要約

ドイツの小売店の棚卸減耗損(帳簿棚卸数量と実地棚卸数量の差額)が昨年39億ユーロに上ったことが、EHI小売研究所の調べで分かった。棚卸減耗損のうち21億ユーロは万引が占めており、EHIは従業員の意識を高めるなど盗難に対し […]

ドイツの小売店の棚卸減耗損(帳簿棚卸数量と実地棚卸数量の差額)が昨年39億ユーロに上ったことが、EHI小売研究所の調べで分かった。棚卸減耗損のうち21億ユーロは万引が占めており、EHIは従業員の意識を高めるなど盗難に対し常に注意を払うことが重要だと指摘した。

万引に次いで額が大きかったのは従業員の内引きで、9億ユーロに上った。これに犯罪組織による盗難(6億ユーロ)、取引先・警備などのサービス要員による盗難(3億ユーロ)が続く。

小売店の売上高に対する棚卸減耗損の比率は1%に上った。小売店は盗難防止に向けて従業員研修や監視カメラの導入などに計13億ユーロを投じており、これを含めた盗難関連費用の対売上比率は1.3%となる。盗難によって目減りした付加価値税収の規模は4億5,000万ユーロに上る。

盗難が多いのは香水や蒸留酒など高額でかさばらない商品。家電販売店ではスマートフォンやゲーム機が目立つ。

警察に届け出のあった盗難は36万5,373件だった。EHIの推定によると、これは実際にあった盗難の2%に過ぎない。

最近は犯罪組織による極めて高額な盗難が増えており、重度の盗難件数は過去7年間で2倍以上に拡大したという。