コンサルティング大手の独ローランド・ベルガー(ミュンヘン)は6月25日、独中堅企業向けのリストラ・経営再建支援に特化した同業FMCコンサルタンツを買収すると発表した。当該事業を強化することが狙い。取引金額は明らかにしていない。
FMCはローランド・ベルガーの元パートナーが2000年に設立した企業で、ブレーメン、デュッセルドルフ、ハンブルク、シュツットガルトに拠点を持つ。従業員数は20人。ドイツでは堅調な経済を背景にリストラや経営再建が必要な中堅企業が減っていることから、自社売却に踏み切ったもようだ。
ローランド・ベルガーは同社を買収し、9月1日付でリストラ・コーポレートファイナンス部門に統合する。同部門の統括責任者は「中堅企業はドイツ経済の支柱であり、これらの顧客が抱える課題に適切なアドバイスを与えることは重要だ」と述べ、今後は大手企業を対象とするリストラ・再建支援に加え、国内中堅企業の支援も強化する考えを示した。今回の買収により同部門の従業員数は120人以上に増加する。
リストラ・再建支援は経営戦略コンサルティングと並ぶローランド・ベルガーの中核事業だが、会計監査大手デロイトへの身売り交渉を過去数年間に二度行ったことで、これを嫌がるパートナーが退社し人材が不足している。