欧州連合(EU)の欧州委員会は6月29日、独電機大手シーメンスによる米タービン、コンプレッサー大手ドレッサー・ランドの買収計画を承認したと発表した。当初は競争法上の懸念を示していたが、問題がないことが判明したため、無条件でゴーサインを出した。
シーメンスとドレッサー・ランドはともに、ターボコンプレッサーとこれを駆動する航空転用ガスタービン(ADGT)、産業用ガスタービン(IGT)、蒸気タービン、電気モーターなどのドライバーを手がけている。
シーメンスは昨年9月にドレッサー・ランドを76億ドルで買収することで合意。欧州委は今年2月、同買収計画の本格調査を開始すると発表した。欧州市場におけるターボコンプレッサー、ADGTおよびADGT駆動のターボコンプレッサートレインの主要サプライヤーがシーメンス/ロールスロイス、ドレッサー・ランド、ゼネラルエレクトリックに限られていることから、シーメンスとドレッサー・ランドが統合すると市場の主要プレーヤーが減り、価格の上昇につながる恐れがあると判断したためだ。出力5メガワット(MW)以下の小型蒸気タービン分野についても同様の懸念があると指摘していた。
詳細な調査の結果、そうした懸念が解消されたため、買収を無条件で承認した。