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2015/7/1

経済産業情報

独最古の原発停止をエーオンが前倒し、核燃料税が負担に

この記事の要約

エネルギー大手の独エーオンは6月27日夜、同国南部のグラーフェンラインフェルトにある原子力発電所の稼働を停止した。同発電所は福島原発事故後も稼働が認められている原発のなかで最も古い施設。法律上は今年末まで発電が認められて […]

エネルギー大手の独エーオンは6月27日夜、同国南部のグラーフェンラインフェルトにある原子力発電所の稼働を停止した。同発電所は福島原発事故後も稼働が認められている原発のなかで最も古い施設。法律上は今年末まで発電が認められていたが、エーオンは核燃料税の新たな負担を避けるために運転停止を約6カ月、前倒しした。

グラーフェンラインフェルト原発は1981年に稼働を開始した。発電能力は1,345メガワット(MW)で、これまでに計3,330億キロワット時(kWh)を発電した。

ドイツでは核燃料棒を原子炉に新規挿入する際に核燃料税がかかる。同原発を年末まで稼働させるには燃料棒を新規投入しなければならず、追加コストが発生するため、同社は採算が合わないとして稼働停止を前倒しした。

ドイツで稼働する原発は今回の措置により8基に減少した。今後は17年と19年にそれぞれ1基、21年と22年にそれぞれ3基が法定の稼働許容期限を迎え、同国の原発は全廃されることになる。