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2015/7/29

企業情報

ドイツ取引所―為替事業に参入、360T買収で―

この記事の要約

フランクフルト証券取引所を運営するドイツ取引所は26日、為替トレーディングプラットホームの独360Tを完全買収することで合意したと発表した。360Tは将来性が高く、シナジー効果も見込めるためで、同社の買収により為替事業に […]

フランクフルト証券取引所を運営するドイツ取引所は26日、為替トレーディングプラットホームの独360Tを完全買収することで合意したと発表した。360Tは将来性が高く、シナジー効果も見込めるためで、同社の買収により為替事業に参入する。買収金額は7億2,500万ユーロ。取引は監査役会と独禁当局の承認を経て成立する。

360Tは投資銀行ドレスナー・クラインオート・ベンソンの元行員が2000年に共同設立した企業で、企業と銀行の為替取引のあり方に大きな変化をもたらした。外貨取引を行う企業はそれまで、各銀行に為替条件を個別打診しなければならなかったが、360Tは銀行が提示する条件を一覧できるプラットホームを立ち上げ、企業が比較したうえで選択できるようにした。DAX(ドイツ株価指数)採用30社のうち29社が同社の顧客になっている。世界市場シェアは15%で、トムソン・ロイター(同37%)、ステート・ストリート(16%)に次ぐ3位に付ける。

360Tの過半数株は12年以降、米投資会社サミット・パートナーズが保有している。ドイツ取引所は今回、サミット・パートナーズなどの出資者から全株式を取得することで合意した。360Tがドイツ取引所グループの国際販売ネットワークやノウハウを活用することで、中期的に数千万ユーロ規模の売上相乗効果を期待できると予想している。

■ETF合弁2社も完全傘下に

ドイツ取引所はスイスの同業SIXグループと共同運営する指数連動上場投資信託(ETF)の合弁会社2社を完全子会社化することで合意したことも27日に明らかにした。Stoxxの資本49.9%と、Indexiumの資本50.1%を総額6億5,000万スイスフランで取得する。株価指数などに連動したETFの需要が高まっていることから、当該事業を強化する狙いだ。今月末までの取引終了を目指す。