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2015/7/29

企業情報

復星国際―出資先の欧州投資会社にTOB―

この記事の要約

中国の複合企業、復星国際は24日、同社が出資するベルギーの投資会社BHFクラインオート・ベンソンに対する株式公開買い付け(TOB)計画を発表した。BHFクラインオート・ベンソンの独銀行子会社BHFバンクを獲得することが狙 […]

中国の複合企業、復星国際は24日、同社が出資するベルギーの投資会社BHFクラインオート・ベンソンに対する株式公開買い付け(TOB)計画を発表した。BHFクラインオート・ベンソンの独銀行子会社BHFバンクを獲得することが狙い。復星国際は今月上旬、独名門銀のハウク・ウント・アウフホイザー(H&A)を買収すると発表したばかりで、今回のTOBが成功すれば独銀2行を傘下に収めることになる。

BHFクラインオート・ベンソンを1株当たり5.1ユーロで買収する。これは同株が24日に取引停止となる直前の株価を9%、過去6カ月間の加重平均株価を16%上回る水準で、買収金額は最大6億7,500万ユーロに達する。

復星国際はBHFクラインオート・ベンソン株19.5%を持つ筆頭株主。当局の承認が下りれば、出資比率を同28.6%に引き上げることになる。他の株主は自動車大手BMWの主要株主である富豪シュテファン・クヴァント氏(出資比率11.3%)、仏銀行家フィリップ・オッド氏(同13.9%)および米投資会社フランクリン・テンプルトンとブラックロック(計21%)で、浮動株比率は25%。

BHFクラインオート・ベンソン(旧RHJインターナショナル)は昨年、ドイツ銀行からBHFバンクを買収した。復星国際はBHFクラインオート・ベンソンの筆頭株主であるものの、他の主要株主から支持を受けるレオンハルト・フィッシャー最高経営責任者(CEO)との関係が悪く、同CEOは6月、復星国際の意向に反してBHFバンクのビョルン・ローベンス取締役会長を解任した。

今回のTOBはこれを受けた措置で、復星国際はBHFクラインオート・ベンソンを子会社化したうえでフィッシャーCEOを解任し、BHFバンクをめぐる争いに終止符を打つ考え。

クヴァント氏はTOBに応じないとみられる。BHFバンクは同氏のメインバンクであるためだ。ただ、復星国際は浮動株をすべて確保できればBHFクラインオート・ベンソンの経営権を掌握できる。

復星国際はBHFバンクとH&Aの中国市場進出を検討している。両行を合併させる考えはない。

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