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2015/8/26

企業情報

シェフラー―産業向け部門を再編―

この記事の要約

ベアリング大手の独シェフラー(ヘアツォーゲンアウラハ)は20日、産業向け部門の再編計画を発表した。好調な自動車向け部門とは対照的に業績が低迷していることに対応。製品ポートフォリオの見直しや事業効率の改善、顧客志向の強化を […]

ベアリング大手の独シェフラー(ヘアツォーゲンアウラハ)は20日、産業向け部門の再編計画を発表した。好調な自動車向け部門とは対照的に業績が低迷していることに対応。製品ポートフォリオの見直しや事業効率の改善、顧客志向の強化を通して競争力を強化していく。

産業向け部門は売り上げが伸び悩んでおり、同社売上に占める割合は2011年の3分の1から今年は25%未満にまで低下する見通しとなっている。経営陣は業績拡大に向けてアジアを中心に需要が大きい汎用品を拡充するほか、製品を速やかに納入できる体制を構築。独南部のキッチンゲンとイタリア、英国には配送センターを新設する。また、市場動向に速やかに対応できるようにするため、各地の経営責任者の権限を強化する。

これらの措置に伴い、ドイツを中心に同部門の欧州の従業員数(計2,800人)を17年までに500人削減する。経営上の理由による整理解雇は行わない考えで、自動車向け部門への異動や定年退職、希望退職、高齢者パートタイム制の活用を通して人員を減らしていく。

シェフラーが同日発表した15年6月中間期決算の売上高は前年同期比12.4%増の67億ユーロと大きく伸びた。ユーロ安がプラスに働いた格好で、為替の影響を除いたベースでは増収幅が4.9%だった。営業利益(EBIT)は2.1%増の8億1,800万ユーロで、売上高営業利益率は前年同期の13.4%から12.2%に低下した。

売上成長率を部門別でみると、自動車向けは中国、米国需要が好調で14.1%に達した。産業向けも中国の風力風車用市場がけん引車となり7.5%に達したものの、為替の影響を除いたベースでは0.8%減少した。