ドイツ連邦統計局が8月28日発表した同月の消費者物価指数(速報値)は前年同月比0.2%増なり、インフレ率(物価変動率)は前月と同じ水準にとどまった。エネルギー価格の下落がこれまで同様、物価を押し下げる最大の要因となっている。前月比では物価の変動がなかった。
エネルギーは前年同月比7.6%減となり、下げ幅は3カ月連続で膨らんだ。
食料品は0.8%増となり、上げ幅が前月(0.4%増)の2倍に拡大した。欧米の経済制裁に対するロシアの対抗措置で食料品が供給過多に陥り価格は押し下げられているものの、8月は猛暑と水不足の影響で収穫が悪く価格の上げ幅が拡大した。
物品全体では0.9%低下し、下落率は前月の0.7%を上回った。サービスは1.2%上昇した。
欧州連合(EU)基準の8月の消費者物価指数は前年同月比が0.1%増、前月比が横ばいだった。
一方、EU統計局ユーロスタットが31日発表したユーロ圏の8月のインフレ率(速報値)は前年同月比0.2%で、3カ月連続で横ばいとなった。エネルギーの下げ幅は前月の5.6%から7.1%に拡大。エネルギーを除いた基礎インフレ率は1.1%となり、前月の0.9%を0.2ポイント上回った。
食料品・アルコール飲料・たばこは1.2%となり、前月を0.3ポイント上回った。農産物など未加工の食料品が前月の1.4%から2.3%へと上昇したことが大きく、加工食品は横ばいの0.6%にとどまった。
ユーロ圏のインフレ率は前月比では0%だった。