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2015/9/23

企業情報

バロワーズ―独生保事業を部分売却―

この記事の要約

スイスの保険大手バロワーズ(バーゼル)は17日、ドイツの生命保険事業の一部を独BHFバンクと中国の復星国際が共同で設立した現地生保フランクフルター・レーベン・グルッペに売却することで合意したと発表した。売却対象となるのは […]

スイスの保険大手バロワーズ(バーゼル)は17日、ドイツの生命保険事業の一部を独BHFバンクと中国の復星国際が共同で設立した現地生保フランクフルター・レーベン・グルッペに売却することで合意したと発表した。売却対象となるのは一定の利回りを顧客に保証する従来型の生保事業。そうした生保商品は低金利を受けて保険会社の足かせとなっており、業界では新規事業の停止や既存契約売却の動きが出ている。

バロワーズは2012年、ドイツで従来型生保商品の新規販売を停止するとともに、従来型生保の既存契約を子会社バーズラー・レーベン(バート・ホンブルク)に移管した。契約件数は12万件、保険金総額は19億スイスフランで、独生保事業の約5分の1を占める。

バロワーズは同既存契約12万件をフランクフルター・レーベンに売却する。取引金額は非公開。売却手続きが終了すると、バロワーズの独生保子会社はバーズラー・レーベンスフェアジッヒャルング(ハンブルク)だけとなる。同子会社の保険金総額は77億フラン。

フランクフルター・レーベンは保険会社から既存契約を買い取る目的で設立された企業。今回の取引は初の買収で、今後も機会をみて買い取りを行っていく。

BHFバンクはベルギーの投資会社BHFクラインオート・ベンソンの主力子会社で、復星国際からも出資を受けている。復星国際はBHFバンクをめぐってBHFクラインオート・ベンソンとの関係が悪化していることを受けて、7月にBHFクラインオート・ベンソンに対する株式公開買い付け(TOB)方針を発表した。BHFバンクを子会社化することが目的だ。