墺鉄鋼大手フェストアルピーネ(リンツ)のヴォルフガング・エーダー社長は7日、北米3カ国の売上高を2020年までに現在の9億8,000万ユーロから約30億ユーロへと拡大する方針を明らかにした。北米はエネルギーコストと人件費が低いうえ、自動車、エネルギー、鉄道など同社の主要顧客産業が盛んなことから、同地の事業を大幅に強化していく。
フェストアルピーネは現在、米テキサス州に直接還元製鉄プラントを建設している。国外投資としては過去最高の5億5,000万ユーロを投入。2016年から海綿鉄を年200万トン生産する。生産した海綿鉄の半分はオーストリア本国のリンツ、ドナヴィッツ工場に輸送して加工する。米ジョージア州カータースビルには昨年、車体部品工場を開設した。
エーダー社長は今回、メキシコに自動車産業向け工場の設置を検討していることを明らかにした。メキシコは「新しいデトロイトだ」と明言。自動車産業の産業立地として極めて高く評価していることを強調した。