エネルギー大手のEnBWは16日、自治体系の地域エネルギー事業者EWEと資産交換を実施すると発表した。原子力発電に強く依存したこれまでの事業のあり方を改めることが狙いで、同取引により天然ガス販売事業を大幅に強化。国内ガス市場でエーオン、ヴィンタースハルに次ぐ3位に浮上する。
EnBWは保有するEWEの資本26%をEWEとEWEの出資者である自治会系エネルギー事業者EWEフェアバントに譲渡。その見返りとして独東部のガス販売事業者VNGの株式74.2%をEWEから取得する。EWEの資本26%の評価額は約13億ユーロ。EnBWは今回の取引で現金1億2,500万ユーロをEWE側に支払う。
EnBWはドイツの原発廃止前倒し政策を受けて天然ガス事業を強化しており、2012年には露ノヴァテクからガスの長期供給を受けることで合意。昨年にも地元西南ドイツのガス会社GVS、テラネッツBWの資本を伊ENIから譲り受けた。今回のVNG買収により連結売上高を従来の200億ユーロから300億ユーロへと大きく拡大する。