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2015/10/21

企業情報

ビルフィンガー―中核2部門を自立化―

この記事の要約

建設・サービス大手の独ビルフィンガー(マンハイム)は15日、中核事業の「産業向けサービス」と「建築・ファシリティマネジメント」を自立した部門として運営していく方針を明らかにした。収益力の強化に向けた取り組みの一環で、売上 […]

建設・サービス大手の独ビルフィンガー(マンハイム)は15日、中核事業の「産業向けサービス」と「建築・ファシリティマネジメント」を自立した部門として運営していく方針を明らかにした。収益力の強化に向けた取り組みの一環で、売上規模で総額10億ユーロの事業についても中核事業から除外し戦略的な措置を検討していく。

同社は景気や天候に業績が大きく左右される建設事業を大幅に縮小し、安定収入が得られるサービス事業の強化に2002年以降取り組んでおり、土木事業からはほぼ撤退した。だが、最近は業績不振に陥っており、6月にはそれまで中核事業と位置づけてきた発電所向けサービスの売却方針を打ち出した。再生可能エネルギーを優先するドイツのエネルギー転換政策を受けて同サービスの需要が大きく低下し、採算が取れなくなったことが背景にある。

今回打ち出した中核2部門の自立化方針はこれに続く取り組み。同社はプレスリリースで、産業向けサービスと建築・ファシリティマネジメントは事業の関連がなく相互補完効果が見込めないため、独立性を与えて自由に事業を展開できるようにした方が競争力が高まるとの考えを示した。産業向けサービス部門については製造業のデジタル化・ネットワーク化の進展(インダストリー4.0)を追い風として利用する意向だ。