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2015/10/28

企業情報

メルク―シグマ・アルドリッチの一部事業をハネウエルに譲渡―

この記事の要約

化学大手の独メルク(ダルムシュタット)は20日、同社が買収予定の米シグマ・アルドリッチの一部事業を米複合企業ハネウエルに売却すると発表した。欧州連合(EU)の欧州委員会はシグマ買収計画を6月に承認した際に条件を付けおり、 […]

化学大手の独メルク(ダルムシュタット)は20日、同社が買収予定の米シグマ・アルドリッチの一部事業を米複合企業ハネウエルに売却すると発表した。欧州連合(EU)の欧州委員会はシグマ買収計画を6月に承認した際に条件を付けおり、これを履行するためにハネウエルに事業を部分譲渡する。

シグマはライスサイエンス関連製品や研究用試薬などに強みを持つ企業。メルクは2014年9月、同社を170億ドルで買収することで合意した。メルクにとって史上最大の買収案件となる。

欧州委は5月、両社が欧州の研究用試薬市場で大手であることから、買収によって同分野の健全な競争が損なわれ、価格上昇を招く恐れがあると指摘。特に溶媒、無機試薬で問題があるとして、買収に疑義を示した。

これを受けてメルクは、シグマがドイツに持つ研究用溶媒、無機試薬の欧州の生産拠点を手放すといった是正策を提案し、欧州委の承認を取り付けた。ハネウエルへの事業売却はこれを受けた措置で、独北部のゼールツェにある工場や製品ブランドを譲り渡す。

メルクは今回の事業売却によりシグマ買収計画が欧州委に承認され、同買収手続きが11月末までに終了すると見込んでいる。