鉄道設備・車両大手の独フォスロー(ヴェードール)は4日、スペインのバレンシアで展開するディーゼル電気機関車事業(レール・ヴィークルズ)をスイスの鉄道車両メーカーであるシュタートラー・レイルに売却することで合意したと発表した。鉄道車両事業からの撤退方針に基づく措置で、鉄道車両の他の事業についても2017年末までに売却先を見つけたいとしている。
シュタートラーはレール・ヴィークルズを現金4,800万ユーロで買収し、有利子債務1億2,400万ユーロも引き継ぐ。レール・ヴィークルズの14年の売上高は2億2,320万ユーロ。シュタートラーは特殊鉄道車両メーカーで、レール・ヴィークルズとは事業の補完性が高い。
フォスローはレール・ヴィークルズを7月1日にさかのぼって売却する計画。取引の成立には独禁当局の承認が必要で、両社は売却手続きが来年第1四半期に終了すると見込んでいる。
フォスローは経営資源を鉄道設備分野に絞り込み、鉄道車両事業から撤退する計画を昨年12月に打ち出した。鉄道車両事業は規模が小さく、グローバル化も進んでいないことから、長期的に生き残るのは難しいと判断した。鉄道設備分野では買収を視野に入れている。