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2015/11/11

企業情報

ユニファイ―仏アトスが買収―

この記事の要約

電機大手の独シーメンスと米投資会社ゴアス・グループの合弁会社で通信ソリューションを提供する独ユニファイ(ミュンヘン)を、仏ITサービス大手のアトスが完全買収する。ユニファイは経営が悪化が続いていたことから、親会社2社は売 […]

電機大手の独シーメンスと米投資会社ゴアス・グループの合弁会社で通信ソリューションを提供する独ユニファイ(ミュンヘン)を、仏ITサービス大手のアトスが完全買収する。ユニファイは経営が悪化が続いていたことから、親会社2社は売却に踏み切ったもようだ。ユニファイが3日明らかにした。

ユニファイは通信手段を1つのシステム上で統合して利用できるようにするソリューション(ユニファイド・コミュニケーション=UC=)を企業向けに提供している。もともとはシーメンスの法人向け通信部門(SEN)で、2008年にゴアスとの合弁に切り替えられた。出資比率はゴアスが51%、シーメンスが49%。

ユニファイの業績は悪く、売上高は合弁化当初の32億ユーロから12億ユーロに縮小。従業員数も1万4,000人から5,600人に減少した。

『フランクフルター・アルゲマイネ』紙によると、シーメンスはこうした事態を深刻に受け止めて昨年、ユニファイ経営の主導権をゴアスから実質的に取得。同合弁をどうにか売却できるところまで再建した。

アトスは11年、不採算に陥っていたシーメンスのITサービス部門SISを買収。その後、統合に成功したため、シーメンスはユニファイを安心して売却できると判断したという。

アトスはシーメンスとゴアスに現金を計3億4,000万ユーロ支払うほか、ユニファイの企業年金負担2億ユーロと債務5,000万ユーロを引き受ける。買収手続きは当局の審査を経て来年第1四半期に終了する見通し。