保険大手アリアンツ(ミュンヘン)のオリファー・ベーテ新社長は24日、石炭採掘・発電会社への投資を今後は行わないと発表した。石炭の利用は地球温暖化の大きな原因となっていることから、地球の平均気温上昇を産業革命前に比べ2度未満に抑制するという国際目標の実現に寄与するために同方針を打ち出した。
具体的には石炭採掘ないし石炭発電が売上高の30%以上を占める企業への投資を見合わせる。すでに投資している分については◇株式であれば今後6カ月以内に売却する◇社債は売却せず償還を待つ――考え。石炭関連企業への同社の投資額は約40億ユーロと推定されている。
地球温暖化は天候の不安定化をもたらし、保険金の支払い増につながっていることから、保険業界は以前から温暖化防止を強く求めている。また、2011年の福島原発事故を受けて火力発電への依存度が高い電力会社は株価が大幅に低下。独RWEの時価総額は同事故からこれまでに75%以上、エーオンも同60%以上、落ち込んでおり、こうした事情も今回の方針転換につながったもようだ。