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2015/11/25

企業情報

ウィンコール・ニックスドルフ―合併条件で米同業と合意―

この記事の要約

ATM・POSシステム世界3位の独ウィンコール・ニックスドルフと同2位の米ディボールドは23日、合併条件で合意したと発表した。両社は9月に合併することで大枠合意、資産の適正評価(デューデリジェンス)などの手続きを進めてき […]

ATM・POSシステム世界3位の独ウィンコール・ニックスドルフと同2位の米ディボールドは23日、合併条件で合意したと発表した。両社は9月に合併することで大枠合意、資産の適正評価(デューデリジェンス)などの手続きを進めてきた。合併により成立する新会社は売上高が約48億ユーロに達し、米NCRを抜いて業界最大手となる見通しだ。

合併はディボールドがウィンコール・ニックスドルフを買収する形で実施。ディボールドはウィンコール・ニックスドルフ株1株につき現金38.98ユーロと自社株0.434株を割り当てる。ウィンコール・ニックスドルフを1株当たり52.50ユーロと評価した格好で、買収総額は債務の引き受けも含めて約17億ユーロ(約18億ドル)となる。

合併で誕生する新会社は社名をディボールド・ニックスドルフとする。米オハイオ州ノース・カントンにあるディボールドの本社を登記上の本社とするものの、事業は同地のほか、ウィンコール・ニックスドルフの本社所在地である独パーダーボルンも中心に展開していく。両社は事業地域面で補完性が高く、合併のシナジー効果で年1億6,000万ドルを見込む。

ATM・POSシステム業界では主要顧客である銀行と流通事業者の投資抑制を受けてハードウエアの販売が低迷。米国やスウェーデンなどで現金利用が減少していることは追い打ちをかけている。両社は合併により、市場の変化に対応できる体制を構築する意向だ。