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2015/11/25

経済産業情報

価格より品質重視、消費傾向に変化

この記事の要約

商品購入の際に価格よりも品質を重視する消費者が昨年は20年ぶりに過半数に達したことが、コンサルティング大手マッキンゼーと独ブランド企業業界団体マルケンフェアバントの共同調査で分かった。ドイツでは2000年代に突入した頃か […]

商品購入の際に価格よりも品質を重視する消費者が昨年は20年ぶりに過半数に達したことが、コンサルティング大手マッキンゼーと独ブランド企業業界団体マルケンフェアバントの共同調査で分かった。ドイツでは2000年代に突入した頃から価格重視の消費者が増加し、ディスカウントスーパーの勢いが強まっていたが、経済と雇用の安定、所得の拡大を背景に4~5年前から品質重視派が増加しているという。

ドイツ経済は1990年代後半から低迷期に入り、2005年には失業者数が500万人を突破。戦後最大となった。国内には経済の先行きに対する悲観的な見方が広がり、就労者の間にも将来の失業を恐れて消費抑制の動きが強まった。

家電量販チェーンのザトゥーンが「ケチはカッコいい(Geiz ist geil)」のキャッチコピーで02年に安売り宣伝を開始したことは時代を象徴していた。

だが、2000年代前半に開始された構造改革の効果で06年から経済が上向き雇用情勢も好転。ドイツはリーマンショックに伴う金融・経済危機をいち早く脱却し安定成長が続いている。こうした状況は消費マインドを好転させており、ディスカウントスーパーの今年1-9月期の売上高は前年同期比で2%減少した。ディスカウントスーパー業界では事態の打開に向けてブランド品の販売を強化する動きが強まっている。

マルケンフェアバントなどによると、デジタル化の進展で商品情報が氾濫している現状もブランド品需要の拡大につながっている。ブランド品であれば品質に問題がないと考える消費者が多いためだ。

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