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2015/11/25

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信用組合の上部2団体が合併合意

この記事の要約

信用協同組合の上部団体であるDZバンクとWGZバンクは19日、合併することで基本合意したと発表した。両行の総資産は合わせて約5,000億ユーロで、合併するとドイツ銀行、コメルツ銀行に次ぐ独3位に浮上する(グラフ参照)。来 […]

信用協同組合の上部団体であるDZバンクとWGZバンクは19日、合併することで基本合意したと発表した。両行の総資産は合わせて約5,000億ユーロで、合併するとドイツ銀行、コメルツ銀行に次ぐ独3位に浮上する(グラフ参照)。来年8月の実現を目指す。

DZバンクはフランクフルト、WGZバンクはデュッセルドルフに本部を置く。資産総額はそれぞれ約4,000億ユーロ、約1,000億ユーロ。合併後はDZバンクの社名で事業を展開する。約1,000行の信用協同組合、農業信用協同組合を傘下に抱えることになる。将来的にはグループの全事業を統括する持株会社をフランクフルトに設置する計画だ。

両行は合併後、重複業務の削減、ITシステムや事業効率の引き上げに取り組み、年間コストを1億ユーロ以上、圧縮。これに伴い人員削減を実施する。企業向け融資事業に注力する方針で、国内の当該市場シェアを現在の19%から25%に拡大する目標だ。

ドイツの銀行業界は競争が激しく、各行の利益が圧迫されているため、監督当局や専門家は合併を推奨してきた。こうした流れを受けてDZバンクとWGZバンクはこれまでに数度、合併交渉を進めたが、役員人事や金融危機ですべてとん挫した経緯がある。今回は両行の財務が健全であることから、成功の可能性が高いとみられている。

WGZの出資者は合併後、DZバンクの資本を獲得する。出資比率は未定だが、約20%に上る見通しという。

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