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2015/12/9

経済産業情報

オペル車にCO2不正疑惑=公共放送

この記事の要約

米ゼネラルモーターズ(GM)の独子会社オペルが製造する車両で実際の二酸化炭素(CO2)排出量と同社の公表数値に大きな隔たりがあるとの疑念が浮上している。独公共放送ARDが3日、ウェブサイトで明らかにするとともに、同日夜の […]

米ゼネラルモーターズ(GM)の独子会社オペルが製造する車両で実際の二酸化炭素(CO2)排出量と同社の公表数値に大きな隔たりがあるとの疑念が浮上している。独公共放送ARDが3日、ウェブサイトで明らかにするとともに、同日夜のドキュメンタリー番組(MONITOR)で放映した。オペル車に対しては窒素酸化物(NOx)の排出量でも不正疑惑が出ている。同社はARDの報道内容を誤りとする声明を発表した。

ARDがオペルの検査記録をもとに報じたところによると、同社は10月末、ミニバン「ザフィーラ」のディーゼル車(排気量1.6リットル、ユーロ6対応)を対象に、実際のNOx排出量がこれまで提示してきた公式数値と一致しているかどうかを確認するためにリュッセルスハイム本社にある試験場で検査を3回、実施した。同モデルに対してはNOxの排出量を不正に操作している疑いがあるとの発表を、独環境保護団体ドイチェ・ウンヴェルトヒルフェ(DUH)が10月23日に行っており、オペルはこれを受けて検査を実施したもようだ。

検査ではCO2排出量が公式値を平均15%上回るとの結果が出た。ARDがスイスの技術監査機関に依頼して行った検査では公式値を約20%も上回っていたという。

CO2排出量が公式値より多いということはその分、燃費も落ちることを意味する。

ドイツでは燃費が公式値よりも10%以上、低いことが分かった場合、メーカーは販売価格を引き下げなければならないことが連邦司法裁判所(最高裁)の判決で確定しており、ARDの報道が正しければオペルはザフィーラの値下げを行わなければならなくなる。

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