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2015/12/9

経済産業情報

乗用車新車登録、今年は4%増加見通し

この記事の要約

独自動車工業会(VDA)は1日、ドイツの乗用車新車登録台数が今年は前年比4%増の317万台に拡大するとの見通しを示した。増加は2年連続。来年も1%増えて320万台に伸びるとみている。 一方、独連邦陸運局(KBA)が2日発 […]

独自動車工業会(VDA)は1日、ドイツの乗用車新車登録台数が今年は前年比4%増の317万台に拡大するとの見通しを示した。増加は2年連続。来年も1%増えて320万台に伸びるとみている。

一方、独連邦陸運局(KBA)が2日発表した11月の乗用車新車登録台数は27万2,377台で、前年同月を8.9%上回った。全体の33.6%を占めるマイカーとしての登録が11.7%増えてけん引。社用車(シェア66.4%)も7.6%増と好調だった。1~11月の累計は295万8,687台で、前年同期から5.4%増加した。

11月の新車登録を動力源別でみると、エレクトロアウト(電気自動車とレンジエクステンダー)は前年同月比117.8%増の1,372台と3ケタ台の伸びを記録。ハイブリッド車もプラグインハイブリッド車(149.6%増の1,283台)が急増し62.1%増の3,685台へと拡大した。ディーゼル車は10.3%増えてシェアが前月の47.7%から49.7%へと上昇。ガソリン車は6.6%増えたものの、シェアは50.4%から48.2%に落ち込んだ。

これまで毎回データを公表してきた新車の走行1キロメートル当たりの二酸化炭素(CO2)排出量平均については今回のプレスリリースで数値が示されなかった。自動車大手フォルクスワーゲン(VW)がCO2排出データで不正を働いてきたことが11月上旬に明らかになったことから、KBAは新車のCO2排出量に関し現時点では信頼できるデータがないと判断したもようだ。

部門別でみると、大型車(12.2%減)、アッパーミディアム(9.0%減)、バン(3.8%減)を除いてすべて増加。キャンピングカーは34.5%の伸びを記録した。

VDAによると、ドイツ車は6%増の19万6,000台、輸入ブランドは16%増の7万7,000台だった。

伸び率が最も大きかったブランドはスマートで、前年同月比68.0%増の3,038台を記録。これに三菱(45.8%増の3,004台)、ランドローバー(44.2%増の1,702台)、マツダ(31.9%増の5,085台)が続いた。

スマート以外のドイツ車はVW(2.0%減の5万7,923台)とポルシェ(0.4%減の1,958台)が減少したものの、フォード(22.6%増の1万9,756台)、ミニ(16.4%増の3,250台)、メルセデス(13.6%増の2万6,796台)、オペル(11.6%増の1万8,943台)は2ケタ台の伸びを記録。BMW(4.7%増の2万679台)とアウディ(3.0%増の2万1,759台)も前年同月を上回った。

三菱とマツダ以外の日本車ではトヨタ(23.5%増の7,041台)、ホンダ(22.0%増の2,061台)、日産(9.3%増の5,157台)が増加。レクサス(6.2%減の137台)、スズキ(8.4%減の2,239台)、スバル(9.3%減の478台)は減少した。

日本車以外の主な輸入ブランド(新車登録1,000台以上)はシトロエン(0.7%減の3,794台)とセアト(3.2%減の7,534台)以外、すべて増加した。各ブランドの実績はジープが25.9%増の1,397台、起亜が24.2%増の4,625台、ルノーが19.6%増の1万1,121台、プジョーが13.7%増の4,309台、シュコダが13.3%増の1万6,023台、ボルボが11.7%増の2,976台、ダチアが9.6%増の3,705台、フィアットが7.7%増の5,098台、現代が6.0%増の8,966台だった。

VDAによると、11月の国内乗用車生産台数は51万8,000台で、前年同月を1%上回った。輸出台数は2%増の39万9,000台。1~11月の累計は生産台数が前年同期比3%増の537万万8,000台、輸出台数が3%増の413万万7,000台だった。

VDAは今回、独メーカーの今年の乗用車世界生産台数が1,515万台となり、初めて1,500万台を超える見通しを明らかにした。内訳は国内生産が前年比2%増の570万台、国外生産が同1%増の945万台。来年は国内で1%増の約580万台、国外で3%増の970万台を見込む。

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