自動車大手の独フォルクスワーゲン(VW、ヴォルフスブルク)が11日発表した11月のグループ新車販売台数は前年同月比2.2%減の83万3,700台となり、これまでに引き続き縮小した。同社の排ガス不正問題が発覚した米国で2ケタ台の減少を記録。ブランドでは量販車のVWブランド乗用車などが振るわなかった。
米国の販売台数は4万5,300台で、15.3%落ち込んだ。窒素酸化物(NOx)の排出不正操作問題を受けてディーゼル車の現地販売を停止したことなどが響いた格好で、北米全体でも7.6%減の7万3,100台へと後退した。
南米も主力のブラジルが51.0%減の2万7,500台と激減したことから、42.2%減の4万200台に落ち込んだ。
アジア・太平洋は4.6%増の35万9,100台へと拡大し、これまでの販売減に歯止めがかかった。主力の中国が5.5%増の32万9,000台へと伸びたことが大きい。
足元の西欧は2.6%増の27万400台に拡大した。イタリア(16.5%増)、スペイン(15.3%増)が2ケタ台の伸びを記録。ドイツ本国も4.4%増えた。
一方、東欧は主力のロシア(34.6%減の1万5,600台)がこれまでに引き続き足かせとなり、6.2%減の5万4,800台へと落ち込んだ。
ブランド別みると、全体の6割を占めるVWブランド乗用車は2.4%減の49万6,100台に後退。量販ブランドのシュコダとセアトもそれぞれ1.4%減の8万9,000台、3.0%減の3万2,400台へと縮小した。高級車のアウディ(1.0%増の14万7,700台)とポルシェ(2.1%増の1万8,100台)は前年同月を上回った。
商用車ではVWブランド商用車(10.2%減の3万3,700台)とMAN(22.3%減の8,600台)が大幅に減少。スカニアは0.3%増の7,100台とわずかに拡大した。
1~11月のグループ販売台数は909万5,900台で、前年同期を1.7%下回った。中国、ブラジル、ロシアが振るわず大きな足かせとなった。
ブランド別ではVWブランド乗用車が4.5%減少し、商用車3ブランドもすべて落ち込んだ。VWブランド以外の乗用車はすべて増加。ポルシェは24.0%増と高い伸びを記録した。