化学大手の独メルク(ダルムシュタット)は14日、電子素材の開発を手がける米スタートアップ企業、オーメット・サーキットへの出資比率を引き上げ完全子会社化したと発表した。半導体向け素材事業を強化することが狙い。買収金額は公表しないことで合意した。
オーメットはカリフォルニア州サンディエゴに事業拠点を持つ企業で、半導体製造の最終段階に当たる実装で用いる導体ペーストを開発している。同社の導体ペーストは鉛を含まず環境に優しいため、鉛はんだに取って代わる可能性がある。また、同ペーストを用いると高温にさらされる部品の寿命が延びることから、スマートフォンやウエアラブルなど集積度の高い電子機器の増加を受けて需要が高まっている。
メルクはオーメットの資本をPEIファンズなど他の出資者から譲り受け100%子会社化した。