独海運事業者連盟(VDR)は10日、独業界全体の保有商船数が9月末時点で2,133隻となり、1年前に比べ117隻減少したと発表した。国外競合への売却が182隻に達したことが響いた格好。VDRのアルフレート・ハルトマン会長は、国外に商船が売却されればされるほど独業界の雇用と競争力が失われると述べ、危機感を表明した。
世界の海運業界は過剰な輸送能力を抱えており、中古商船の取引価格は下落している。こうした船舶を取得した企業は調達コストが低いため、その分だけ競争力が高く、ドイツの商船が国外の競合に数多く売却されたことは懸念材料となる。
ハルトマン会長は、国内海運事業者の半数は保有船舶数が5隻未満だと指摘。こうした事業者は保有数が1隻減るだけで存亡の危機に立たされると強調した。
独業界の船舶数はピーク時の2012年を17%下回り、輸送能力も12%低下したという。