「フラッキングは地下水を汚染せず」=連邦地学・資源局

独連邦地学・資源局(BGR)は18日、頁岩(シェール)層に貯留する天然ガス(シェールガス)をフラッキングという手法で採掘しても地下水は汚染されないとする研究レポートを発表した。ドイツではフラッキングの解禁に向けた法案が与党内の意見の対立で宙に浮いており、BGRは同レポートを公開することで速やかな法案作成を促した格好。同局のハンスヨアヒム・キュンペル局長は、フラッキングを解禁しなければ国内の天然ガス資源は近い将来、枯渇すると警鐘を鳴らした。BGRはフラッキング推進派の官庁。

フラッキングでは化学物質と砂を混ぜた水を高圧で地中に注入してシェール層に割れ目(フラクチャー)を作り、内部にあるガスを抽出する。低コストで効率よくガスを採取できるメリットがあり、同技術の利用で先行する米国ではガス価格が低下し、産業競争力が高まると予想されている。

ただ、地下水汚染などを引き起こすことが懸念されており、ドイツではフラッキング法案の詰めの作業ができないでいる。具体的には中道左派の与党・社会民主党(SPD)が、個々の商業利用の最終承認を連邦議会(下院)が行うことを要求するのに対し、中道右派の与党キリスト教民主・社会同盟(CDU/CSU)は議会による個々の承認は不要として対立。打開の見通しが立っていない。

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