フランクフルト証券取引所を運営するドイツ取引所は16日、ロンドン証券取引所(LSE)と合併合意したと発表した。両社の株主と当局の承認を経て合併が実現すると、売上高で世界最大の取引所グループが誕生する。
両社は2月、メディア報道を追認する形で合併に向けて協議していることを明らかにした。今回の合意ではグループ全体を統括する持ち株会社をロンドンに設立し、ドイツ取引所とLSEをその傘下の中間持株会社とすることを取り決めた。グループ統括会社をロンドンに設置するのは税制上の理由からだと説明している。
ドイツ国内にはこの措置について同国の金融競争力や雇用に悪影響が出るとの懸念があるが、ドイツ取引所のケンゲーター社長は『フランクフルター・アルゲマイネ』紙に「大陸欧州の金融市場のエコシステムは先進的でない。別サイド(英国)のエコシステムは極めてダイナミックであり、両サイドを橋渡しすることの意義は大きい」と述べ、理解を求めた。決算通貨にはユーロを採用する。
合併により、両社は重複業務の削減や取引システムの統合を押し進め、コストを20%(4億5,000万ユーロ)圧縮する。人員削減規模は明らかにしていない。
同合併計画の実現には欧州連合(EU)欧州委員会のほか、ドイツ取引所の地元ヘッセン州当局の承認も必要。同州の証券監督局は合併計画が金融都市フランクフルトにもたらす影響を吟味する方針で、認可しない可能性もあることを示唆している。