中国の複合企業・海航集団(HNAグループ)は11日、ケータリングなどの航空会社向けサービスを手がけるスイス企業ゲートグループに対する株式公開買い付け(TOB)計画を発表した。HNAは昨年、空港グランドハンドリング世界最大手のスイスポートを買収しており、今回のTOBにより航空関連サービス事業をさらに強化する考えだ。ゲートグループの取締役会はHNAのTOB計画を全会一致で支持しており、株主に対し受け入れを促した。
HNAはゲートグループを1株当たり現金53スイスフランで買収する。ゲートグループの時価を14億フランと評価したことになる。HNAはゲートグループが予定する2015年12月期の配当(1株0.3フラン)を現株主が受け取るようにする考えを表明しており、これを含めるとTOB価格は過去60日間の加重平均株価を37.8%、前営業日(8日)の終値を20.9%上回る。TOBは5月27日から6月23日にかけて実施する予定で、67%以上の株式確保を成立条件としている。
ゲートグループは従業員数が2万8,000人で、売上高は30億フラン。取締役会はHNAの傘下に入ることで急成長するアジア市場で事業をすみやかに拡大できると判断し、同TOBの支持を決定した。ゲートグループの経営陣は据え置かれ、本社もスイスにとどまる。