小売業界で牛乳戦争、価格を20%以上引き下げ

独ディスカウントスーパー大手のアルディが牛乳の小売価格を一気に20%以上、引き下げた。競合ノルマ、レーベも追随。消費者にとっては嬉しい状況だが、多くの乳牛農家は存立の危機に追いやられる懸念がある。

アルディは2日、1リットルパック入りの牛乳(要冷蔵)の店頭価格をそれまでの59セントから46セントへと引き下げた。これを受けレーベは同日午後、46セントに下げ、ノルマも追従した。

牛乳の出荷価格は1リットル当たり現在28セントで、2年前の約40セントから大幅に下落。乳牛農家の経営は苦しくなっている。牛乳は世界的に供給過剰に陥っていることから、同価格は今後さらに低下する可能性があり、農業団体からは数千軒の農家が廃業を余儀なくされるとの声が出ている。

アルディは大幅値下げについて、供給過剰で市場原理が働いたに過ぎず「批判される筋合いはない」との立場を示している。

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